結婚観と人生観

二十四歳の松本理子さんは、千葉県の実家で三つ上のお姉さんと父、母の四人で暮らしている。
紺のジャケットに膝上のスカート……、一見すると学生なのかOLなのかわからないくらいだが、会うなりてきぱきと挨拶をし、「話をするなら静かなところがいいですよね、たしかこの別館に落ち着いた店があったと思うな」と、先にたって私を先導してくれる。とても就職一年目とは思えない仕切りのよさだ。「姉は小さいころから成績が悪くて、両親は高校に入れるかどうかも心配したくらいなんです。だから、その反動で私に期待がかかっちゃって……、私もそれにまじめに応えてきたんですよ」小学校のころから、授業参観、PTAの会合などで母親が学校に来れば、先生が寄ってきて「松本さんのお母さんですか。もう本当にしっかりしたお嬢さんでいいですね」というほど彼女は成績も素行もよかったようだ。中学から受験をして、中、高一貫教育の私立の名門高に入学。そこの卒業生は百五十人中、一割が東大、三十人が早稲田、二十人が慶應、そうでなければ医学部に進学、あとは浪人……というような、超エリート校だった。ちょうどベビーブームの年で生徒数も多く、中学受験からかなり倍率もすごかった。そんな受験戦争の真っただ中で競争に勝ち進んできたつわものが集まったわけで、成績という分野では、かなり濃い人たちの集まりだったようだ。もし、出会った相性が合う人と結婚しても仲が悪くなったらここを思い出してください。

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